※当院で分娩をお考えの方は
必ずお読みください
当院は地域周産期母子医療センターの指定を受けておりますので、母体搬送などの産科救急に対応しています。また大学病院の使命として、病気を持ちながら出産を目指する女性や、妊娠中に赤ちゃんの病気が見つかった妊婦さんの分娩管理も積極的に対応しています。同時に「24時間いつでも快適で安心できる分娩のサポート」を目標として、健康な妊婦さんも受け入れており、希望される産婦さんには24時間体制で無痛分娩を提供しています。
無痛分娩が普及した諸外国では、24時間いつでも麻酔科による無痛分娩が受けられる体制の施設が多くみられます。そして、このような施設では緊急帝王切開が必要になった場合や、産後の大量出血などに対して緊急の対応が必要になった場合でも、産科麻酔専門の麻酔科医がすぐに対応することが可能です。そこで当院でも2014年7月より産科麻酔専門の麻酔科医を常時産科病棟に配置して、24時間体制で無痛分娩だけでなく緊急帝王切開や産科救急に対応しています。
当院で分娩を予定されている妊婦さんには、妊娠36週ごろまでに産科麻酔外来を受診していただいています。これは、もし緊急帝王切開が必要になった場合でも即座に安全な麻酔法が選択できるように準備をしておくことが第一の目標です。同時に経腟分娩予定の妊婦さんには、無痛分娩の準備と説明をさせていただきます。無痛分娩希望の妊婦さんはもちろんですが、元々は希望していなかった妊婦さんも分娩経過中に無痛分娩を希望されることも少なからずあるので、慌てることのないように念のため無痛分娩について説明し、準備することをお薦めしています。
当院では地域周産期センターとして高度医療を提供する役割を担う一方、多様化するニーズに応えて2003年より、無痛分娩を希望される妊婦さんには硬膜外麻酔による無痛分娩を行って参りました。無痛分娩を希望される産婦さんの数は増加傾向にあり、2019年度の実績は826件となりました。
当院では24時間体制で無痛分娩に対応しておりますので、無痛分娩のためだけに計画分娩にする必要はありません。また、産科麻酔外来を受診した妊婦さんであれば、無痛分娩を選択するかどうかは分娩経過中に決めていただいて構いません。また無痛分娩を開始する時期も、産婦さんの希望を尊重して決めています。
50年以上の歴史をもつ技術
当院で行なっている硬膜外麻酔による無痛分娩は50年以上の歴史があり、安全性は十分確立した医療行為であり、多くの利点もあります。例えば、高齢の産婦さんでは体力温存により育児への移行が容易になることや、痛みによるストレスを軽減することにより血圧や血糖値の上昇が抑えられることが報告されています。もちろん医療行為ですので無痛分娩に伴ういくつかの欠点(合併症)もあります。いざ陣痛が始まる前に、これらの無痛分娩の利点と欠点について十分に理解していただくことが大切と考えておりますので、当院で分娩を検討されている方は、以下の「よくあるご質問(無痛分娩について)」をぜひお読みください。